こんにちは、たーひとです。
今日は「ギフテッドのアイデンティティクライシス(自己喪失)」についてお話しします。
「自分」が曖昧だったり、生き方や善悪や正誤についてグルグル考えてしまいがちな人は、僕が紹介する方法で一撃解消するのでぜひ最後までじっくり読んでみてください。
アイデンティティクライシスとは?
「自分って何者?」
「生きる意味って?」
「人生に目的はあるの?」
「正しさってなに?」
そんな抽象的で根源的な問いがぐるぐる頭の中を回ってしまう──それが“アイデンティティクライシス”、つまり自己喪失です。
この状態は、特にメタ認知能力が高い人、すなわち“思考について思考する”能力を持つ人に起こりやすい。
中でもギフテッド(先天的に思考能力が高い人)にはよく見られます。
ギフテッドと聞くと、超天才のようなイメージを抱くかもしれませんが、実際には10人に1人くらいは何らかの形で該当します。
一般的にはIQやスキルで測られがちですが、“ギフテッド=与えられた”という言葉を前提にすると、論理的推論力と空間認知力の2つだけが先天的に大半が決まってる能力なので、これらを持つ人がギフテッドと言えます。
なぜギフテッドは「自分を見失いやすい」?
理由はシンプルで、「羅針盤を見失うから」です。
生き方の座標軸、つまり何を良しとするかという価値観が曖昧になったとき、人は思考を繰り返しながら迷子になります。
特に、世の中で“良い”とされる目標を達成した後に「虚しさ」や「空洞感」を感じると、アイデンティティの崩壊が起こりやすい。
これは、努力してたどり着いたはずの場所に“幸せ”がなかったとき、価値観そのものが揺らぐからです。
アイデンティティクライシスは「希望」でもある
ここで大切なのは、「自己喪失=悪いこと」ではないということ。
行動できない状態=“希望”なのです。
なぜなら、これは「無自覚に突っ走る」ことを防ぐためのブレーキでもあるから。
思考に迷って止まる人は、たいてい大きな間違いを避けている。
自分を守るための“混乱”であり、より深く自己と向き合うチャンスなんです。
解決のための3ステップ
アイデンティティクライシスを乗り越えるためには、次の3ステップが有効です。
ステップ①:不二一元論(価値観の再定義)
「宇宙の法則(梵)と人間(我)は一体である」という考えに基づき、「意識こそが自分」と捉える視点を持ちます。
人間の意識は、自分の体や命に対してほとんど影響を持たないほど薄い存在。
なのに「自分を“マスター”だと思い込んでいる」から、自意識が過剰になって、矛盾で苦しくなるんです。
「自分」は“ただ存在させられてる側の存在”なのに、“自分で存在している”と勘違いしてしまうことにより、価値やら意味やらを問うエゴイストになってしまう。
「自分」がいなくても体は生きるし、心臓を体から取り出しても鼓動する。
「自分」がいなくても世界は滞りない。大統領や首相、トップアーティストや金メダリストでもそれは同じ。
150年後にはいま生きてる80億人は全員いなくなってる。
「誰もいてもいなくてもいい」
「人類は滅亡してもいい」
「宇宙が消えてなくなってもいい」
まずこの事実に気づくことが、実はアイデンティティを取り戻す第一歩です。
動植物や時間や空間、宇宙を含む森羅万象は不可分で同時に存在してる1つの塊であって、「無くてもいいのに有る」という事実が、すべてに共通して言えて、すでにそれだけで究極の価値があります。
ステップ②:存在価値と付加価値の違いを知る
現代社会では、地位やお金、見た目、肩書きなどの“付加価値”ばかりが重要視されています。
でも、それらはすべて「代替可能な相対価値」にすぎません。
本当に大切なのは「存在価値」──すなわち体・心・時間・命といった限りあるリソース。
これらを目的として大切にしないと、どんなに付加価値を積み重ねても土台がないので、虚しさしか残りません。
存在価値を軽視しているから。
本当は、誰かの代わりにはなれない“唯一無二”の存在なんです。
ステップ③:マインドフルネスとファクトフルネス(今と真実を生きる)
自分の“今”を丁寧に味わい、主観ではなく「事実」に目を向ける生き方です。
- マインドフルネス:今この瞬間を大切に生きる。
- ファクトフルネス:思い込みを排除し、全体の中での自分の立ち位置を冷静に見る。
人間は、産まれてから死ぬまでずっと「今」に居続けます。過去も未来も他者の心も、すべて「今」にあります。
過去が現在の原因、現在は過去の結果
現在は未来の原因、未来は現在の結果
原因と結果が常に「今」にあります。だから行動せずに意識だけを過去の後悔や未来の不安、他者の心に向けていても、後悔と不安の過去が量産されるだけなんです。今に集中して、今なにをするかがとても重要です。
不確かなことを考え続けると認知機能が軽度知的障害レベルにまで下がってしまうという研究もあり、そうなると後悔や不安や恐怖が増幅したり、肉体・精神・時間・お金といったリソースを無意識に損し続ける選択をたくさんしてしまいがちになります。
なるべく真実に目を向ける姿勢が大切です。これは自己評価に関しても同じことが言えます。
たとえば「英語を少し話せる」だけでも、日本人の中では上位10%。でも本人は「大したことない」と思いがちですよね。英語が話せない人にとってそれは嫌味や嫉妬の対象になるし、学習のハードルを上げて徒労の押し付けにもなるし、完璧主義的で自分に合格点を出せないこともあり、自己卑下や謙遜の果てはただの害悪でしかありません。
キャンプ・釣り・登山が好きな人、家事や育児を日常的にこなす人、ゲーム・読書・ドラマ視聴などを何時間でもできる人が「自分なんて大したことない」と思ってしまうのも、同じことです。
「不特定多数、無作為抽出された全体の中でのその要素のレベル感やポジションを正確に把握すること」が、最も自分のためと人のためになる「自己相対評価」なのです。
ファクト(事実)に目を向けることで、自尊感情が回復し、「自分には価値がある」と思えるようになります。
矛盾がすべての問題の根本原因
すべての苦しみは、「真実じゃないことを真実だと思い込む矛盾」から始まります。
自分に価値がないと思うこと、存在を軽視すること、自分を比較で評価すること——すなわち自尊心の欠如。
その矛盾がストレスを生み、やがて攻撃性へと変化し、自他へのダメージとなるのです。
差別、偏見、犯罪、自殺、戦争まで、たった一人の自尊感情の欠落によって起こります。
でも、アイデンティティクライシスを経験する人は、その前段階で「気づける」人。
だからこそ、希望なのです。
おわりに──「存在=価値」
「自分とは何か」に迷ってしまうあなたは、すでにとても大きな“気づき”の入り口に立っています。
僕自身も、過去に病気、事件、事故などで心身の危機に陥り、そのたびに見えない大きな問いを抱き、思考と学習をして比較検証を繰り返して知識と経験を統合してきました。
だからこそ言えるのは、あなたの存在には絶対的な価値があるということ。存在価値があるかないかではなく、存在=価値です。
まずは、今そこにいる“自分”を少しずつ最適化していきましょう。
真の“自分のため”だけが、本当の“人のため”になる第一歩です。